【売買契約書解説】※作成中です。
不動産売買契約書の記載内容は、売買目的物件の表示と売買代金の総額・代金支払方法・
融資利用特約等の申し込み金額や期限などです。その他、重要事項説経書に記載した
内容以外にも、取引きにおいて重要な部分(宅地建物取引業法47条1項)や売主・買主の
取り決めなどがあれば「契約書特約条項」覧に記載します。
売買物件の表示は、売買対象となる土地や建物の地番や、私道の持分、土地と建物の広さ
などを記載しています。この辺りは重要事項説明と重複している箇所が多いです。
代金支払方法は、手付金や中間金及び残代金といった金銭の流れを記載します。
通常、残代金の支払いと、物件引渡し日は、同時履行の抗弁権を互いに行使するもの
なので、同日になります。
ここでは、特に重要だと思われる事項について、宅建協会の書式をもとに説明します。
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【売買の目的物の表示】
売買対象となる不動産について登記簿謄本の内容が記載されています。
土地なら、所在、地番、地目、地積、持分など、建物なら所在、種類、
構造、床面積等が記載してあります。
【売買代金、手付金の額および支払い日】
売買代金の内訳や手付金の額、引渡し予定日時や残代金の額などが
記載してあります。これらの項目は契約書にて明確にする必要があり、
もし、引渡し予定日が遅れる可能性がある場合は、契約書にその事を
明記したり、覚書を作成して売主・買主に記名押印してもらった方が
良いでしょう。
【その他約定事項】
ここでは、所有権移転・引渡し日、公租公課の起算日、手付け解除の期限、
違約金の額を記載しています。
公租公課とは、固定資産税・都市計画税の事で、起算日は1月1日を基準に
引渡し日の前日までが売主、引渡し日以降が買主負担となります。
手付け解除の期限は、契約日から1ヶ月前後の日時を記載する事が多いです。
手付け解除期限を過ぎたり、お互いが約束を守らない場合は、手付金とは
別に違約金として売買代金の20%が発生します。
ただし、売買契約書条文にも書かれていますが、契約解除期日前で売主・
買主が履行に着手した場合は、手付金の放棄だけでは解除できなくなります。
履行の着手とは、売主・買主が引渡しに向けて所有権移転登記などの準備
に入る段階をさします。この段階になると、手付金だけでは現状回復が
難しい場合が多いため、この場合は、手付金とは別に違約金が発生します。
【融資利用の特約】
融資申し込み先、融資承認予定日、融資金額、融資未承認の場合の契約解除
期限が記載してあります。買主が住宅ローンを使う場合、万が一ローンが
通らなかった場合のことを考慮して、融資利用の特約をつけます。
この特約は、万が一、融資が承認にならなければ、契約を白紙に戻すという
特約です。これは、手付け解除や違約解約と違って、買主に落ち度がある
わけではないし、ローンが承認にならなかった場合にまでペナルティを課す
のは買主にとって不利益となるため、この場合は無条件解約となります。
【契約不適合責任の範囲】
契約不適合責任とは、契約に基づいて引き渡された目的物が、種類・品質又は数量に
関して契約の内容に適合していないことを指します。
例えば、「引渡しを受けた建物の土台や柱が腐っていた場合、引渡し後に雨漏りや白アリ
被害が発見された場合、排水放流先をU字溝と説明したら実は浸透式だった」などです。
契約不適合箇所が発見された場合、通常は「補修請求、代金減額請求」となりますが、
説明の内容に乖離がある場合などには「契約解除請求」も可能です。
契約不適合責任の範囲は、宅建業者が売主の場合と、宅建業者以外が売主の場合では異なり、
また、雨漏りや建物の傾きなどの欠陥があれば、どんな瑕疵でも売主に契約不適合保責任が
発生するわけでなく、例えば雨漏りや白アリ被害がある事を告知した上で、周辺相場より
安く販売するようなケースは契約不適合には該当しません。
また、経年劣化による不具合がある事を前提とした売買価格である事の説明を受けている
場合も契約不適合には該当しません。これらが通るのであれば中古住宅の売買が成立しなく
なるからです。
また、不動産会社が売主の場合と、売主が不動産業者以外の一般仲介の場合では、
契約不適合責任期間も異なり、中古住宅と新築住宅の場合でも異なります。
宅建協会の書式では、売主の契約不適合責任期間は、売主が不動産業者以外の場合、
2ヶ月から3ヶ月、不動産会社が売主の場合は2年以上の期間となります。新築住宅の場合
「構造耐力上主要な部分」および「雨水の浸入を防止する部分」について、10年間となり、
中古住宅よりも基準が厳しくなります。
なお、構造耐力上主要な部分として政令で定められているものは、住宅の基礎、基礎ぐい、
土台、壁、柱、小屋組、筋かい、方づえ、火打材など、建物の自重や振動・衝撃を支える
部分です。(住宅の品質確保等に関する法律 第5条参照)
構造耐力上、主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の定義は、住宅の品質確保の促進等
に関する法律施工令第5条に記載されています。
売主の瑕疵担保責任期間は、宅建業者が売主の場合、引渡しの時から2年間ですが、
宅建業者以外が売主の場合は、2ヶ月~3ヶ月が一般的です。ちなみに、新築住宅の場合、
売主の瑕疵担保責任期間は10年です。
この辺りは、民法上の規定と宅建業法上の規定が異なります。
なお、民法第570条の契約不適合責任の請求期間は、「隠れた瑕疵を発見してから1年以内の
請求」となりますので、注意して下さい。
次に「契約不適合責任は一切負いません」という特約は有効なのかについても触れて
みたいと思います。
この件ついては、売主が宅地建物取引業社でない場合は、「契約不適合責任は一切負いません」
という特約も、売主買主の双方が合意すれば有効ですが、売主が宅地建物取引業者の場合には、
「契約不適合責任は一切負いません」と記載しても「、民法第570条が適用されるため、
瑕疵担保免責特約は原則無効となります。
では、買主が管理を怠った為に発生した瑕疵の場合はどうなのでしょうか?
この件について、買主が手入れを怠った為に発生した瑕疵についてまで売主に責任を負わ
せるのは酷ですから、この場合は、原則として、買主に修復費用が発生します。
常識的に考えてどうなのかという事です。
【その他、特約条項】
重要事項説明で義務化されているものは、最低限、これだけは説明して下さい!というものです。
それ以外にも、その事実を告げなかったり、事実と違う事を告げたりする事によって取引の当事者に
重大な不利益をもたらすおそれのある事項として、宅地建物取引業法第47条1号「重要な事項」の
説明が義務付けられています。
重要な事項とは、例えば、日照・通風・眺望に影響の出る近隣の建築計画、騒音・振動・臭気、自殺、
暴力団事務所の存在などです。これらは購入意思の決定に重大な影響を与える事項だからきちんと
説明して下さいね!という事です。
その他、売主・買主双方での取り決め等があれば、この覧に記載します。